消防士には、高校卒業後すぐに就職する人も多くいます。
結論から言うと、高卒でも「Ⅲ類(高卒程度)」の採用試験に合格すれば、大卒と同じ消防士として働けます。
ただし、受験資格・試験内容・倍率は大卒(Ⅰ類)と別枠であり、対策の立て方も変わってくるでしょう。
この記事では、高卒で消防士になるまでの流れと、大卒との違い、採用試験の倍率、合格のポイントを解説。
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消防士になるまでの全体像(受験資格・試験内容・日程・勉強法)は、こちらのハブ記事にまとめています。


高卒で消防士になるには?
高卒で消防士になるには、以下の手順を踏む必要があります。
高卒で消防士を目指すなら、採用試験の概要やその後の流れについても理解しておくことが大切です。
まずは、消防士になるまでのおおまかな流れについて解説します。
①働きたい消防本部の採用試験に応募する
まずは、働きたい消防本部の採用試験に応募しましょう。
消防士は、警察官のように都道府県で管理されているわけではありません。
各市町村に消防本部があるため、働きたい地域の消防官採用試験を受験する必要があります。
ただ、東京消防庁に関しては「稲城市」と「島しょ地域」を除く東京都全域が管轄です。
そのため、東京の消防士として働きたい方は東京消防庁の採用試験に応募しましょう。
採用試験情報は、各市町村の公式ホームページに掲載されるため、定期的に確認しておくことが大切です。
また、年度によっては希望する消防本部が採用試験を実施しないこともあるため注意しましょう。
②消防官採用試験に合格する
希望の消防本部へ応募したら、消防官採用試験に合格しましょう。
消防士になるための最も重要な部分です。
消防官採用試験の合格倍率は、5〜10倍程度で推移することが多いです。
令和6年度の東京消防庁の合格倍率は、以下の通りとなっています。
東京消防庁を含めた政令指定都市の消防官採用試験倍率を確認したい方は、以下の記事を参考にしてください。
また、消防官採用試験では以下4つの試験が実施されます。
体力だけでなく、知識や適切なコミュニケーション能力なども試験合格に必要です。
ただ、上記4つの試験内容は一般的な例であり、消防本部によって試験内容が若干異なるため必ず確認しておきましょう。
③半年間消防学校で座学や訓練を行う
一人前の消防士として働くためには、半年間消防学校で座学や訓練を行う必要があります。
消防官採用試験に合格しても、いきなり消防士として働けるわけではありません。
現場で市民の方を助けるのに必要な能力を、この半年間で身につけます。
消防学校を卒業した後は、所属の消防署に配属されます。
配属されてからの半年間は初任教育生として働き、さらに半年後には一人前の消防士として働くことが可能です。



消防学校は厳しいですが、その半年間でかなり成長できますよ!
消防士を目指す際の高卒と大卒の違い
消防士を目指す際には、高卒と大卒で違いがあります。
具体的に違う点としては、以下の4つが挙げられます。
消防士を目指しているなら、高卒から目指すことだけにこだわらず、大卒との違いを理解しておくことが大切です。
高卒と大卒の違いを理解した上で、どの時期に消防士を目指すべきかを検討してみましょう。
受験資格
消防官採用試験の受験資格は、高卒と大卒で違いがあります。
東京消防庁の受験資格の違いについては、以下の表を参考にしてください。
参考:多様な試験制度|採用情報
上記の表からもわかる通り、大卒はⅠ類、高卒はⅢ類の試験が対象となります。
令和7年度の場合の採用予定者数は同数ですが、年度によって異なります。
受験資格が無ければ消防官採用試験を受験できないため、自分が対象となっているかどうかを確認しておきましょう。
試験内容
大卒と高卒では、試験内容にも違いがあります。
東京消防庁における大卒と高卒の試験内容の違いは、以下の表を参考にしてください。
一次試験
参考:多様な試験制度|採用情報、消防官Ⅲ類試験情報|採用情報
二次試験
参考:多様な試験制度|採用情報
実施される試験の枠組みは同じですが、細かい部分に違いがあります。
高卒より大卒の方が難易度が高いものとなっているため、間違えないように事前に確認した上で対策を進めましょう。
給与・年収
高卒と大卒では、給与や年収にも差があります。
例えば、東京消防庁の初任給は以下のような違いがあります。
参考:多様な試験制度|採用情報
上記の表によると、平均で約4万円大卒の方が高くなっています。
しかし、高卒の方が4年分多く給与を受け取れます。
どちらが有利かは働き方次第であり、一概にどちらが良いとは言えません。
入社後のキャリア
入社した後に高卒と大卒で比較される可能性は低いです。
入社してしまえば、高卒も大卒も関係なくなります。
ただ、消防士の階級を上げるためには「昇任試験」への合格が必須です。
消防本部によって、昇任試験を受けるまでの勤続年数には違いがあります。
そのため、高卒の方が早く昇任試験を受けられる場合もあり、一概にどちらが有利とは言えないのが特徴です。



大卒の方が昇任しやすいということは無いので安心してください!


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高卒で消防士になるのは難しい?
高卒で消防士になるのは、非常に難しいです。
各市町村の採用試験倍率に基づいて対策を考える必要があります。
そのためには、受験先の採用試験がいつ行われるのかを確認しておくことが大切です。
続いては、高卒の採用試験倍率例や採用試験がいつ行われるのかについて解説します。
高卒の採用試験倍率は6〜10倍前後
高卒の採用試験倍率は、6〜10倍前後で推移することが多いです。
ただ、年度や受験する消防本部によって細かな違いはあります。
例えば、令和6年度東京消防庁のⅢ類(高卒程度)の合格倍率は「6.6倍」でした。
東京消防庁の試験倍率は、令和4〜6年度で10倍を下回っています。
しかし、令和3年度以前は7.7〜27.4倍の間で推移しているため、年度によって倍率が大きく異なることが分かります。
その年の受験者数によっても異なるため、倍率ばかり気にせず自分のできる対策を徹底して行うことが合格への近道です。
高卒が対象の試験はいつ?
高卒が対象の消防官採用試験は、9月上旬から10月上旬の間で行われるのが一般的です(一部例外あり)。
一次試験では、教養試験や作文試験、適性検査などが行われます。
一次試験に合格した後、別日に二次試験として体力・口述試験を行います。
東京消防庁のⅢ類1回目は、例年7月に申込み、9月上旬に第1次試験、10月〜11月に第2次試験、11月中旬に最終合格発表という流れで実施されています。年度ごとの正確な日程は、必ず公式の採用情報サイトで確認してください。
参考:消防官Ⅲ類|採用情報
ただ、上記の日程はあくまで一般的な日程です。
そのため、希望する受験先がどの日程でどんな試験を行うのかを事前に調べて対策することが大切です。



消防本部によっては、一次試験がかなり遅くに行われることもあります!
高卒で消防士を目指すメリット
高卒で消防士を目指すメリットは、以下の3つです。
高卒で消防士になれれば、専門卒や大卒の方には無いメリットを得られることもあります。
消防官採用試験のモチベーションを高めるためにも、高卒で消防士を目指すメリットについて理解しておきましょう。
早いうちから現場経験を積める
高卒で消防士を目指すメリットとしては、早いうちから現場経験を積めることが挙げられます。
一人前の消防士として働くためには、知識だけでは足りません。
様々な状況に合わせてどのように対処するのかは、現場経験を通して少しずつ積み重ねるものです。
高卒なら大卒よりも4年分多く現場経験を積めます。
そして、早いうちからキャリアが明確になれば、目的を持って行動に移せるでしょう。
地域への恩返しができる
高卒で消防士を目指すことで、地域への恩返しもできます。
消防の仕事は力仕事であり、体力のある若年層の力が必要です。
少子高齢化が進む社会で若年層が消防士になること自体が、地域への恩返しにつながります。
また、受験する消防本部が地元だという人も多いです。
地元の消防本部に就職すれば、地元の人が助けを必要としているときに駆けつけられます。
少しでも早く地元に恩返ししたいと考えている方には、高卒で消防士になることをおすすめします。
同世代よりも年収が高くなりやすい
高卒で消防士になるメリットは、同世代よりも年収が高くなりやすいということです。
総務省の調査によると、令和5年度の消防職員の平均月額給与は「304,233円」となっています。
それに加え、特別手当の月額平均は「100,991円」です。
合計すると、月額「405,224円」を受け取っている計算となります。
一方、厚生労働省の調査によると令和5年度民間企業の平均月額給与は「318,300円」となっています。
そのため、同世代よりも年収が高くなりやすく、やりがいにつながる場合もあるのが大きなメリットです。



同世代の多くは民間企業や大学生のケースもあるため、比較的年収が高くなりやすいです!


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高卒で消防士を目指すデメリット
高卒で消防士を目指すデメリットは、以下の3つです。
注意
高卒で消防士を目指すデメリット
- 現場で怪我や殉職する可能性がある
- 雑用を押し付けられる恐れがある
- プライベートを犠牲にしなければいけなくなる
高卒から消防士を目指すことで、意外なデメリットもあります。
消防士を目指す時期は様々あるため、本当に高卒で消防士を目指すべきかを検討してみましょう。
現場で怪我や殉職する可能性がある
高卒で消防士になるデメリットは、現場で怪我や殉職する可能性があるということです。
消防士の仕事は、命がけの場面にも遭遇します。
早いうちから消防士として働くということは、命を危険にさらす場面にも多く遭遇しやすくなるということです。
令和3年度中に消防職員が公務で殉職及び負傷した人数を見ると、殉職した方は2名、負傷した方は1,176名となっています。
参考:消防職団員の公務による死傷者数 | 令和4年版 消防白書 | 総務省消防庁
危険な現場に出動する分、家族や友人に心配をかける可能性が高いことも理解しておきましょう。
雑用を押し付けられる恐れがある
高卒で消防士になるデメリットは、雑用を押し付けられる恐れがあることです。
消防士は体育会系であり、上下関係が非常に厳しいです。
上司や先輩の命令は絶対であり、逆らうことは滅多にありません。
そして、年齢が18歳や19歳ということもあり、消防士の中で最も低くなります。
そのため、同期の中で雑用を押し付けられる恐れもあることを理解しておきましょう。
プライベートを犠牲にしなければいけなくなる
高卒で消防士を目指すデメリットは、プライベートを犠牲にしなければいけなくなるということです。
高卒から消防士になるためには、高校3年生になった直後から勉強を開始しなければ間に合いません。
一次試験は9月頃に行われ、11月から12月頃に最終試験が終了します。
合格していても、1月から3月までは体力作りも含めた事前準備が必要なため、プライベートな時間が削られます。
また、働き始めてからも、周りは大学生で遊んでいるのに、自分だけ仕事をしなければいけないケースも多いです。
消防士としてのキャリアは詰めますが、プライベートが犠牲になる恐れがあることを理解しておきましょう。



「プライベートを犠牲にしてでも早く消防士になりたいのか」「大学生としてゆっくり過ごしたいのか」をよく考えましょう!
高卒で消防士になる注意点
高卒で消防士になる前には、自分が本当に消防士になりたいのかを再確認しましょう。
「そんなの当たり前でしょ」と思うかもしれません。
しかし、消防士を退職する方の中には「思っていたのと違った」という理由で退職する方も多いです。
そのため、必ず確認しておくことが大切です。
消防士になる方の多くが、救助隊や救急隊に憧れています。
しかし、実際には毎日のように大きな災害があるわけではなく、ほとんどが事務処理や訓練などです。
そんな毎日が続いても嫌にならず、目標やモチベーションを持って仕事ができそうかどうかを再確認しましょう。
「それでも消防士になりたい」と思えるほどの熱意があれば、きっと消防官採用試験にも合格できるでしょう。



自分と向き合って再確認することで、対策のモチベーションアップにもつながります!
高卒で消防官採用試験に合格するポイント
高卒で消防官採用試験に合格するには、いかに効率的かつ総合的な対策ができるかがポイントです。
合格のための意識すべきポイントは、以下の3つです。
高卒には、高卒にしかない強みがあります。
高卒だからこその強みを生かした対策ができれば、他の受験者に差をつけることも可能です。
効率とバランスを考えた採用試験対策を行う
高卒から消防士を目指すなら、効率とバランスを考えた採用試験対策を行うことが大切です。
まずは、教養試験・小論文(作文)試験・面接試験・体力試験の4つを分けて考え、各試験で適切な対策を考えましょう。
続いては、各試験の勉強方法と具体的なコツを解説します。
周りの受験者と差をつけたい方は、必ず確認し実践してみましょう。
教養試験
教養試験の対策方法は、出題される問題の中で重要な個所を優先的に対策することです。
消防官採用試験の教養試験は、知能分野27題・知識分野13題の合計40題(2時間)で構成されるのが最新の出題形式です。
受験する消防本部の試験でどの科目がどの程度出題されているのかを確認し、出題数の多い科目を重点的に対策しましょう。
対策する際のコツは、アウトプットを多めにすることです。
「覚えなきゃいけないのにアウトプット?」
と思うかもしれません。
しかし、人は暗記や理解する際にインプットよりもアウトプットする時の方が記憶に定着しやすくなります。
そのため、1つの単元ごとに人と教え合ったり、過去問を解いたりするのがおすすめです。
インプットとアウトプットを繰り返しながら勉強を進めましょう。
小論文試験
小論文試験の対策方法は、ルールを理解し何度も繰り返すことです。
小論文試験は減点方式であり、決められたルールで書かれていなければ減点されてしまいます。
そのため、まずは小論文のルールについてしっかりと理解しましょう。
また、実際に出題された内容に基づいて小論文を書き、他の人に添削してもらうのがおすすめです。
東京消防庁の小論文試験で過去5年間で出題されたテーマは、以下を参考にしてください。
- 令和6年度:あなたが感じる東京消防庁の魅力と、消防職員としてどのように成長していきたいかについて述べよ。
- 令和5年度:あなたが東京消防庁を希望する理由と、どのように成長していきたいかを述べよ。
- 令和4年度:東京消防庁の職員として、10年後のあなたがどんな成長を遂げているか述べなさい。
- 令和3年度:自ら考えて行動するために日頃から行うべきことを具体的に述べなさい。
- 令和2年度:あなたの経験から「失敗を糧にして成長できた」と考えられる事柄を挙げなさい。そのうえで、今後当庁で仕事をしていくうえでそれをどう生かしていくのか、あなたの考えを具体的に述べなさい。
小論文試験対策についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
面接試験
面接試験の対策方法は、様々な人と模擬面接を行うことです。
模擬面接とは、実際の面接のように入室から退室までを行う方法を指します。
模擬面接を行うことで、本番の面接で緊張しづらくなったり、面接での自分の課題を洗い出せたりします。
また、想定される質問を事前に確認し、回答を考えておくことで面接をスムーズに進められるでしょう。
消防官採用試験で出題されやすい質問は、以下の通りです。
面接試験で想定される質問や回答例を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
しっかり準備してきたことが面接官にも伝われば、好印象を与えられるため必ず準備しておきましょう。
体力試験
体力試験の対策方法は、定期的な運動を心がけ試験内容にあった対策をすることです。
体力試験にはコツと呼ばれるほどのものは無く、基本的な体力や筋力があれば合格ラインを越えられます。
なぜなら、消防学校で必要な体力や筋力を付ければ良いと考えられているからです。
つまり、体力試験は平均的な対策ができていれば問題なく合格できます。
体力試験についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
対策に専念するための環境を作る
高卒から消防士を目指すなら、試験対策に専念するための環境を作ることが大切です。
最初は試験対策のモチベーションがあっても、何かのきっかけでモチベーションを失ってしまうかもしれません。
そこからモチベーションを保つのは難しいですし、対策も計画通りに進まない可能性が高いです。
そのため、モチベーションに頼った対策はやめましょう。
モチベーションに頼るのではなく、環境を変えることが大切です。
1人で集中できないなら、友人と一緒に勉強したり公共のフリースペースで勉強するのがおすすめです。
「勉強しなければいけない」という環境に身を置きましょう。
そうすれば、モチベーションに関わらず安定した対策を進められるようになるでしょう。
消防士合格を目指す予備校を利用する
高卒で消防士合格を目指す場合、独学はおすすめしません。
独学では、非効率な勉強になったり、どんな対策をしたら良いかがわからなかったりします。
高卒で消防士を目指すからこそ、予備校を利用するのがおすすめです。
予備校を利用することで、専門的なノウハウやテクニックを学ぶことができ、一発合格の可能性も高められます。
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東消塾は、元東京消防庁職員と公務員試験講師が指導しており、東京消防庁以外の消防本部合格実績も豊富です。
また、小論文試験対策や面接試験対策も行っているため、バランスの取れた消防官採用試験対策ができるでしょう。



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よくある質問
- 高卒でも消防士になれますか?
-
「Ⅲ類(高卒程度)」の採用試験に合格すれば、大卒と同じ消防士として働けます。ただし受験資格や試験内容は大卒枠と異なります。
- 高卒と大卒で給与に差はありますか?
-
東京消防庁の初任給は大卒の方が高卒より平均で約4万円高くなっていますが、高卒は4年分多く給与を受け取れます。
- 高卒の消防官採用試験の倍率はどれくらいですか?
-
高卒の採用試験倍率は6〜10倍前後で推移することが多く、年度や受験する消防本部によって違いがあります。
まとめ:高卒から消防士を目指すなら「東消塾」がおすすめ
高卒から消防士を目指すなら「東消塾」がおすすめです。
東消塾は、東京消防庁をメインとする消防官採用試験合格を目指すための予備校です。
元東京消防庁職員と公務員試験講師が指導していたり、オンラインで完結できるため効率的に対策できたりと人気の予備校となっています。
高卒から消防士を目指している受講生も多く、切磋琢磨し合える仲間にも出会えるため、モチベーションを保ちながら対策できます。
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