大卒から消防士になるには?合格までのロードマップや試験内容について解説

大卒でも消防士になれる!?採用の流れ 勉強方法を徹底解説!

大卒から消防士になるには、志望先の消防本部で受験資格と採用区分を確認して申し込み、第1次・第2次試験に合格する必要があります。最終合格後も採用意向・受験資格の確認などを経て採用が内定し、採用後は消防学校で初任教育を受けて消防署へ配属されます。

東京消防庁の2026年度(令和8年度)は、消防官Ⅰ類に教養試験方式と適性検査方式があり、専門系は別区分です。Ⅰ類は一律に「大学卒だけ」が対象ではありません。生年月日と卒業条件を先に確かめ、方式ごとに試験対策を選ぶことが第一歩です。出典:東京消防庁・消防官Ⅰ類(教養試験方式)/同(適性検査方式)/専門系。

この記事では、大卒者の受験から採用・消防学校・配属までの流れと、2026年度の試験内容を東京消防庁OBの視点で解説します。

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消防士になるまでの全体像(受験資格・試験内容・日程・勉強法)は、こちらのハブ記事にまとめています。

目次

東京消防庁Ⅰ類の初任給は約32.2万円(2026年公表値)

東京消防庁が2026年度の消防官Ⅰ類で示す初任給は約321,900円です。これは2026年1月1日現在の給料月額に地域手当を加えた額で、給与改定や学歴・職歴による加算などで変わります。すべての消防本部・採用区分に共通する金額ではありません。

扶養手当、住居手当、通勤手当、期末・勤勉手当などは条件に応じて別途扱われます。出典:東京消防庁・消防官Ⅰ類の採用・給与。金額の読み方や区分別の違いは東京消防庁の初任給の解説も参照してください。他の自治体との比較は、各消防本部が公表する年度・手当の範囲を揃えて確認してください。

大卒から消防士になるには?合格までのロードマップ

大卒から消防士になるためのロードマップをご紹介します。

それぞれについて、詳しく解説していきます。

①受験する自治体を決める

まずは、受験する自治体を決めましょう。

原則として、消防署は所在する市区町村が管轄しており、自治体ごとに募集人数や各種手当の割合が異なります。

受験する自治体を決めるポイントは、以下のとおりです。

  • 地域手当が高い消防署を選ぶ
  • 居住したいエリアにある消防署を選ぶ
  • 競争倍率が低い消防署を選ぶ

倍率だけでは採用人数・受験者層・仕事内容は判断できません。志望先の公式情報で、募集人数や勤務条件も確認しましょう。

収入や福利厚生を比較する際は、東京消防庁や各政令指定都市の公式採用ページで、初任給に含まれる手当や勤務条件を揃えて確認してください。

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自治体の人口だけで給与は決まりません。各消防本部の募集要項を比較しましょう。

②採用試験に申し込み、対策する

受験する自治体と区分を決めたら、公式の募集要項で申込期間・受験資格を確認して申し込み、採用試験に向けて勉強しましょう。

大卒で消防士になるための勉強方法は、以下の通りです。

  • オンライン講座
  • 独学
  • 専門学校

大学の授業や就職活動と両立する場合、独学・大学の支援・予備校・オンライン講座の中から、学習時間と費用に合う方法を選びましょう。

オンライン講座を使う場合も、受験する区分の公式出題範囲に合っているか確認してから取り組むことが重要です。

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納得のいくまで繰り返し対策することが重要です!

③消防学校に入校する

最終合格後は採用意向・受験資格の確認などを経て採用者が内定します。採用後、消防学校で初任教育を受けます。出典:東京消防庁・消防官Ⅰ類の採用案内。

東京消防庁の消防官の初任基礎教育は全寮制で約6か月です。入校時期は採用時期によって異なります。出典:東京消防庁・人材育成(研修制度)。

消防学校で学ぶこと
  • 消防に関する法令等の座学
  • 消防業務に関する座学
  • 消防業務に関する実務

私が「東京消防庁消防学校」に在籍していた頃は、以下のスケジュールで過ごしていました。

【06:30】起床

【07:00】国旗・庁旗掲揚

【07:15】掃除

【07:30】朝食・稼業準備

【08:30】課業開始

【12:00】昼食

【13:00】課業開始

【17:15】課業終了

【18:00】夕食・自由時間

【20:00】各自体力錬成・勉強

【21:45】点呼

【22:00】就寝

上記は東消塾代表の在校時の一例です。現在の教育日程・外出等の取扱いは入校時の案内に従ってください。

休日や外泊の運用は年度・学校の規則によって変わる可能性があります。

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消防学校は採用後の初任教育です。給与・手当の具体的な扱いは採用時の案内で確認しましょう。

④消防署に配属される

消防学校での教育期間が修了すると、各消防署に配属されます。

東京消防庁の公式研修案内では、初任教育の後は消防署に配属され、ポンプ隊員として勤務する流れが示されています。配属やその後の職種は個人・年度によって異なります。出典:東京消防庁・人材育成(研修制度)。

消防士の仕事内容
  • 災害対応業務
  • 火災予防業務
  • 防災安全業務
  • 本部業務

災害対応以外は、基本的に訓練・体力錬成・事務作業を行います。

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仕事で体を鍛えられるので筋トレ好きには特におすすめです!

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大卒消防士の試験内容

大卒で消防士になるには、試験内容を理解して対策を行うのが重要です。

ここからは、大卒消防士の試験内容について解説していきます。

大卒で消防士を目指す方は、まず上記の内容を理解することから始めましょう。

大卒消防士の試験情報

大卒で消防士になるには、まず試験区分や受験資格、試験の日程などの試験情報を理解するのがポイントです。

試験情報を知らないままだと、申し込みや試験日を間違えて、受験すらできない可能性も出てくるので注意してください。

試験区分

東京消防庁を目指す大卒者は、2026年度の消防官Ⅰ類(教養試験方式・適性検査方式)と、専門分野の要件を満たす場合の専門系を確認しましょう。自治体ごとの区分名称を東京消防庁の制度と混同しないことが大切です。

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東京消防庁の区分(2026年度)第1次試験・選考の中心主な受験資格
消防官Ⅰ類・教養試験方式教養試験(40題)・論文・性格検査1991年4月2日~2005年4月1日生まれは学歴不問。2005年4月2日以降生まれは大学卒業(2027年3月見込み含む)等。
消防官Ⅰ類・適性検査方式SPI3-U(能力・性格検査)・論文Ⅰ類・教養試験方式と同じ生年月日・学歴等の条件。
消防官専門系SPI3-U・論文・専門試験1991年4月2日以降生まれで、大学卒業(2027年3月見込み含む)又は同等の資格を有する人。
出典:東京消防庁のⅠ類・教養試験方式/Ⅰ類・適性検査方式/専門系(2026年度)。国籍・欠格条項など、その他の受験資格も各要項で確認してください。

上表は東京消防庁の2026年度制度です。他の消防本部では区分名・学歴・年齢条件が異なるため、志望先の募集要項を確認してください。

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自分がどの区分に該当するか確認しておきましょう。

受験資格

消防官の受験資格は自治体・区分・年度によって異なります。東京消防庁2026年度Ⅰ類の主な条件は以下のとおりです。専門系など別区分は各募集要項で確認してください。

消防士の受験資格
  • Ⅰ類:1991年4月2日~2005年4月1日生まれは学歴不問。2005年4月2日以降生まれは大学卒業(2027年3月見込み含む)等の条件
  • 矯正視力を含み、両眼で0.7以上かつ片眼でそれぞれ0.3以上
  • 日本国籍を有している
  • 地方公務員法第16条の欠格条項に該当しない

東京消防庁では以前まで身長・体重制限が設けられていましたが、令和5年度の採用試験から撤廃されています。

身長・体重の旧基準だけで受験を諦める必要はありません。ただし、生年月日・学歴等・国籍・欠格条項を満たすことが必要で、視力・体力・健康度も第2次試験で検査されます。詳しくは年度別の公式募集要項を確認してください。

今の職場に不満がある方は、消防士になる道も検討してみてください。

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年齢の目安だけで判断せず、生年月日と区分ごとの学歴等の条件を確認しましょう。

試験の日程

消防士の採用試験の日程は受験する自治体ごとに異なるので、必ずホームページなどで確認するようにしてください。

東京消防庁の2026年度Ⅰ類・教養試験方式の申込期間と第1次試験日は次のとおりです。適性検査方式・専門系は別の日程・検査もあるため、申し込む区分の案内を確認してください。

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項目東京消防庁
申込受付期間1回目:2/16(月)10時~3/13(金)17時
2回目:7/2(木)10時~7/31(金)17時
試験日1回目:4/26(日)
2回目:9/6(日)

試験の日程や回数は年ごとに変動する可能性があるので、受験する消防本部のホームページは定期的に確認するようにしましょう。

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規模の小さい消防署では募集人数が0の年も多々あります!

筆記試験の内容

東京消防庁の2026年度Ⅰ類・教養試験方式は第1次試験で、知能分野27題・知識分野13題の合計40題(2時間)を出題します。出題分野は以下のとおりです。公式要項を基準に準備してください。

筆記試験の内容
  • 知能分野(27題)
    文章理解・語句の用法・英文理解・判断推理・空間概念・数的処理・資料解釈
  • 知識分野(13題)
    人文科学(国語・歴史・地理)・社会科学(法学・政治・経済・社会事情)

教養試験方式は大学卒業程度の五肢択一試験です。一方、Ⅰ類・適性検査方式と専門系の第1次試験はSPI3-Uを使うため、受験方式に合わせて対策してください。

教養・論文・性格検査などを含む各科目の基準と総合成績が評価されます。教養の点数だけで合否が決まるわけではありません。

筆記試験の準備に加え、2026年度Ⅰ類の変更点と最新の試験結果も確認してください。

適性検査の内容

2026年度の東京消防庁Ⅰ類は、受ける方式によって検査が異なります。教養試験方式には性格検査があり、適性検査方式ではSPI3-U(テストセンター方式)で能力検査と性格検査を行います。適性検査方式は、指定された受検可能期間内にSPI3-Uを受ける必要があります。

過去に他の試験で行われた検査名を、現在の東京消防庁Ⅰ類の検査として断定しないでください。準備する際は、申し込む方式の公式要項を確認しましょう。出典:消防官Ⅰ類・教養試験方式/消防官Ⅰ類・適性検査方式。

体力試験の内容

東京消防庁の2026年度消防官Ⅰ類では、第2次試験で身体・体力検査を実施します。職務に必要な身体・体力・健康度を確認する検査です。出典:東京消防庁の公式要項。

体力試験の内容は、以下の通りです。

体力試験の内容
  • 1km走
  • 反復横跳び
  • 上体起こし
  • 立ち幅跳び
  • 長座体前屈
  • 握力
  • 腕立て伏せ

参考:東京消防庁 職員募集

公式要項には検査種目と視力などの主な基準が示されていますが、体力の種目別合格点は公表されていません。最終合格は第1次・第2次試験と受験資格の確認結果を総合して判断されます。受験区分の公式要項を確認してください。

消防士の体力試験について詳しくまとめた記事があるので、そちらも参考にしてみてください。

面接試験の内容

面接試験は2次試験で実施される試験で、受験者の人柄やコミュニケーション能力を把握する目的があります。

面接試験を受ける際は、事前に質問されるかもしれない内容を想定し、事前に回答を考えておくことがポイントです。

大卒消防士の面接試験で聞かれることが多い質問内容は、以下の通りです。

面接の質問内容
  1. なぜ消防士になろうと思いましたか?
  2. 自己PRをお願いします。
  3. 学生時代に頑張ったことを教えてください。
  4. どんな消防士を目指していますか?
  5. あなたが消防士に向いている理由を教えてください。

面接の時間や質問数は年度・受験者によって異なります。東京消防庁の2026年度Ⅰ類では、第2次試験で個人面接を行うことが公表されています。

できるだけスムーズに回答できるように、面接練習を繰り返し行い、自信をつけてから試験に臨みましょう。

面接試験でよくある質問&解答例を紹介している記事もあるので、ぜひ参考にしてください。

【Q&A】大卒で消防士になりたい人からのよくある質問

消防士を目指すのに大学の学部・学科は関係ありますか?

東京消防庁Ⅰ類の受験資格には学部・学科の指定はありません。一方、専門系は法律・建築・電気などの専門区分があり、分野別の専門試験を行います。

合格するには試験内容に対して十分な対策を行うのが重要です。

大卒で消防士になるには資格が必要ですか?

特別、必要な資格はありません。

ただし、東京消防庁は所持資格やスポーツ・音楽の経歴を「資格・経歴評定」の対象とします。対象資格・証明書類・申請期限は当該年度の募集要項で確認してください。

まとめ

大卒の消防士には、以下のようなメリットがあります。

  • 東京消防庁Ⅰ類は初任給約321,900円(2026年1月1日現在、地域手当を含む)
  • やりがいが高く、多くの人から感謝される
  • 景気に左右されることなく、将来的な計画を立てやすい

倍率を学歴だけで比較せず、志望先の区分・方式ごとの公表実績を確認しましょう。受験資格の確認、公式要項に沿った対策、面接練習を計画的に進めることが大切です。

独学で進める場合は、公式の出題範囲と過去問を基準に計画を立てましょう。学習や面接練習に不安が残る場合は、オンライン講座や個別指導も選択肢になります。

大卒で消防士になりたい方は、早めに自分に合った効率的な勉強方法を見つけて、採用試験に向けて準備していきましょう。

友口 涼介(東消塾代表・元東京消防庁職員)

この記事の監修者

友口 涼介東消塾 代表/dcn株式会社 代表取締役/元東京消防庁職員

東京消防庁での勤務を経て、東京消防庁採用試験に特化したオンライン予備校「東消塾」を設立。元消防士としての現場経験と公務員試験の専門講師陣の受験対策を組み合わせ、面接対策や消防士として長く活躍するための心構えまで指導しています。東消塾の合格実績は累計合格者304名・合格率81.5%(2026年9月時点)。記事は東京消防庁・総務省消防庁の公式発表をもとに作成し、制度変更にあわせて更新しています。

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